このブログでは、復職支援プログラム(通称:リワーク)で教わったことを患者目線で紹介しています。
「リワーク」という呼び方の方が馴染みやすいので、今後は、「リワーク」という言葉を使っていきます。
ちなみにリワークとは、精神疾患で休職している患者が、復職を目指して心理士等から医学的なリハビリテーションを受けることです。
私の通っていたクリニックでは、心理学に基づいた座学やグループワークから、ダンスなどの運動療法、絵画や工作などの芸術療法に至るまで、かなり幅広いメニューが用意されていました。
私が初めて受けたリワークの授業は、「思考エラー」というテーマでした。
ざっくりいうと、以下の様な内容です。
うつ病の人には、独特な思考パターンがあり、ドツボにハマると抜け出せなくなります。
心理学者の研究に基づいたプログラムを学び、自分の思考パターンを客観的に把握することで、考え方のクセを直していきましょう。
(リワークの授業メモから抜粋)
意外と本格的なプログラムで、理解できるのか不安になりましたが、心理士さんが丁寧に教えてくれたり、グループワークで理解を深めたこともあり、なんとなく身についた気がしました。
授業の冒頭で、まずは思考のチェック項目を教わりました。
(1)私の考えは、事実に基づいているか。
(2)私の考えで、目標が達成できるか。
(3)私の考えで、感じたい感情が湧いてくるか。
例えば、廊下ですれ違いざまに挨拶した相手に無視されたとき。
相手が、ちょっと気になっている人だったらショックは一段と大きいですよね。
「あの人は、私のことを嫌いに違いない。」
私だったらそう思います。
これが思考エラーなのです。
「あの人は、私のことを嫌いに違いない。」という思考をチェックしてみましょう。
(1)私の考えは、事実に基づいているか。
本人に聞きましたか?これは事実ではなく、思い込みです。
無視されたのではなく、単に声が聞こえてなかっただけかもしれません。
(2)私の考えで、目標が達成できるか。
嫌われていると思い込んだら、あの人と仲良くなるという目標は達成できません。
(3)私の考えで、感じたい感情が湧いてくるか。
相手を好きだという気持ちは幸福なものです。でも、嫌われていると思い込んだら、一転して苦しいだけになってしまいます。
少しだけ恋愛に絡めて説明しましたが、思考エラーは、家庭生活や仕事など、あらゆるシーンで発生する危険性があります。
私の頭の中はエラーだらけで、もはや正常に機能しない状態でしたが、リワークでの授業を通して、なんとか働けるまでには回復しました。
今回は、思考エラーの導入部分について書きましたが、思考エラーには様々なパターンが存在しますので、今後、少しずつ 紹介していきます。
以上
<まとめ>