「このレベルの成果だったら新人でも出せるだろ!?」
就職してから何年経っても、こんな風に厳しい上司から叱責を受けることってありませんか?
私は、こんなシチュエーションに遭遇すると、バカ正直に受け止めてしまう性格だったので、すぐに落ち込んでました。
何か言われるたびに落ち込んでしまうのは、「自動思考」が原因かもしれません。
自動思考とは、無意識に刷り込まれた価値観によって、とっさに思い浮かぶ言葉や考えのことです。
ポイントは、「感情」と区別することです。
冒頭の例で言えば、「このレベルの成果だったら新人でも出せるだろ!?」という叱責に対して、「自分は仕事ができない人間だ。」とか「この職場はブラックだ。」考えることが自動思考です。
この自動思考によって、悲しみや怒りなどの感情が引き起こされます。
いろいろと浮かんでくる考えの中で、特にインパクトのある感情と結びついているものをピックアップして検証していきます。
ここでは、自責の念や悲しみが強く、うつ病を悪化させる危険がありそうな、「自分は仕事ができない人間だ。」という考えを検証することにします。
「自分は仕事ができない人間だ。」
誰しも一度は、こんな風に考えたことがあるのではないでしょうか。
この考えに支配されてしまうと、悲しみや恐怖といった負の感情が芽生え、仕事へのモチベーションも下がる一方ですよね。
私はリワークの授業で、自動思考に対して以下の通り検証することを教わりました。
1.自動思考がその通りであるとの事実や根拠は?
2.自動思考に反する事実や根拠は?
3.自動思考を信じることのメリットは?
4.自動思考を信じることのデメリットは?
5.最悪どんなことになる可能性があるか?
6.奇跡が起きたら、どんな素晴らしいことになるか?
7.現実には、どんなことになりそうか?
8.以前、似たような経験をしたとき、どんな対処をした?
9.他の人なら、この状況に対してどんなことをするだろうか?
10.この状況に対してどんなことができそうか?
11.もし友人だったら、自分に何と言ってあげたい?
12.自分自身に対して、どんなことを言ってあげたい?
(リワークの授業メモから抜粋)
12項目あるので、少し検証が大変なのですが、ポイントを絞って例題の検証を行ってみます。
例題:「自分は仕事ができない人間だ。」
<検証結果>
→ずば抜けた業績ではないが、ポジションに見合った成果は出している。
→上司の言葉を叱咤激励として捉えることもできる。
→同僚の業績と比較して、自分だけ降格させられることは無さそうだ。
→友人は「そんなことないよ。あなたは仕事ができるよ。」と言うだろう。
次に、検証した結果に基づいて、新たな思考を書き出してみましょう。
<新たな思考>
「自分は仕事が人並みにはできる。上司の期待したレベルに達していないだけ。」
「そもそも上司の期待するレベルが高すぎる。給料に見合っていない。」
私にとって効果的だったやり方は、他責の要素を少し織り交ぜることです。
じっくりと考えて、自分にしっくりと来る新たな思考を生み出しましょう。
自動思考を検証する効果について、患者としての感想を書きます。
実際、職場で叱責を受けた場合、とっさに出てくる思考は、もっと短い言葉でした。
私の場合は、「これパワハラだよ。」とか「この人は相変わらずだな。」とか、少し毒舌でストレートな言葉が浮かんでくるようになりました。
以前の私は、少しでも他責的な考え方が浮かんでくると、「自分は何でも人の責任にする弱い奴だ」と思ってしまい、ますます落ち込んでいました。
しかし、自動思考や、その他のリワークプログラムを受けることによって、他責で考える自分を許せるようになりました。
誤解のないように言っておきますが、リワークプログラムは決して「他責」を奨励するものではありません。
私の考え方の癖として、「自分を責めすぎる」という部分があったので、そこが改善されたという話です。
今後も少しずつリワークの体験談を紹介していきます。
以上