あの人たちは、自分の悪口を言って笑っているのではないだろうか?
こんな風に疑心暗鬼になったことはありませんか?
大抵の場合は、自分とは全く関係のない、ただの世間話をしているだけです。
しかし、うつ病になると、物事が歪んで見えてしまうことがあります。
今回は、リワークで教わった「思考フィルター」という考え方について書きたいと思います。
問題。これは、何の絵でしょうか?
あまりにも有名な絵なので、今更感がありますが、知らない方は考えてみてください。
正解は、「若い女性」であり「老婆」でもあります。
若い女性のアゴを老婆の鼻、耳を老婆の目、チョーカーを老婆の口だと解釈すると、老婆に見えてきます。
最初に老婆に見えた方は、この解釈を逆にすれば、若い女性に見えてきます。
ここで言いたいことは、人それぞれ、違った見方で世界を見ているということです。
よく「色眼鏡で見る」という言い方をしますが、ほぼ例外なく、人は独自の眼鏡(=フィルター)を通して、世の中を見ているのです。
思い込みによって見え方が異なってしまうのは、絵だけではありません。
日常生活においても、他人の言動が、自分の価値観や精神状態によって違う見え方になってくるのです。
リワークの授業では、以下のとおり教わりました。
誰もが日常生活においてある程度の影響を受けている思考エラーです。思考フィルターは、すでに考えたり信じたりしていることに一致する、または「合う」情報のみに注目したり、認めたりする思考エラーです。もし私たちの信念に反する情報だと認識されると、その情報は信念に合うように修正されてしまいます。
(リワーク配布資料より抜粋)
例えば、この人は私のことを嫌っているという思考フィルターを持っていると、ちょっとした誉め言葉すら、逆に嫌味で言っているように感じてしまいます。
「誉め言葉を言われた」という情報を、「この人は私を嫌っている」という信念に合わせるため、「嫌味を言われた」という情報に修正してしまうのです。
なんとも迷惑な誤変換機能ですが、大なり小なり、誰しも思い当たる経験があるのではないでしょうか。
同じ地球上に住んでいても、世界の見え方は70億通りあります。
まずは、そのことを認識することが大事です。
自分だけでなく、他人もまた思考フィルターを通して世の中を見ていることを理解すれば、お互いの誤解が不幸な結果を招くことを回避できる可能性が高くなります。
以上
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<まとめ>