ちょっとしたことで、「この世の終わりだ!」と悲観的に考えてしまうことはありませんか?
これも、うつ病的な認知の歪みであると言われています。
今回は、14番目の思考エラーです。
「破滅思考」について解説していきます。
破滅思考は、ある状況に対してうまく対処する能力を過小評価するもう一つの思考エラーです。この過小評価は、その状況が私たちにとって実際よりも悪いものであるように感じさせます。破滅思考をしているときによく使われる言葉は、「ひどい」「最悪だ」「破滅だ」「この世の終わりだ」などです。もしこれらの言葉が冗談や嘘でないなら、「必要と願望の混同」の延長だと考えられます。
(リワーク配布資料より抜粋)
「必要と願望の混同」の延長にあるのが、「破滅思考」ということです。
「必要と願望の混同」 については、過去2回に渡って解説しました。
食品をパニック状態で買い占めてしまう原因は、それがないと生命が脅かされる(=必要)という心理状態に陥ってしまうことでしたね。
でも実際は、生命に関わるケースは稀で、ほとんどの場合は自分が欲しいと思っている(=願望)だけなのです。
これが、「必要と願望の混同」です。
過去の記事では、日常生活を例にして解説しましたが、「必要と願望の混同」の延長線上には、もっと深刻な思考エラーが潜んでいます。
気をつけないと、仕事、恋愛、夫婦関係、子育てetc、あらゆる場面で「破滅思考」を繰り返し、悲観的な毎日を送ることになってしまいます。
あなたは、どのような時に悲観的になりますか?
確かに辛い出来事は、次々と起こります。
しかし、「もう駄目だ。」と対処する能力を過小評価してしまえば、そこから一歩も進まなくなります。
私は、「何事も根性で解決しましょう!」と言いたいわけではありません。
(むしろ根性論は苦手ですから。)
そうではなくて、辛い出来事が、本当に自分が思っているほど悲惨なものなのか、冷静に再評価することが大事なのです。
状況を整理するために、紙に書き出してみてもいいでしょう。
もしかしたら、自分の願望が叶わないことに悲観しているだけで、客観的に見れば大した問題ではないかもしれません。
「でも、私にとっては大問題なんだ!」と言いたくなりますよね。
譲れないものは、誰にでもあります。
しかし、「破滅思考」について考える上では、生命を脅かす問題であるかどうかがポイントになります。
なんでもかんでも「死にやしないから」で割り切れるわけではありませんが、こういった観点も選択肢として持っておくと、気が楽になりますよ。
以上
次:【思考エラー15】うつ病の原因は、「心配の魔法」なのか?
<まとめ>