うつ病で会社を休職していると、本当に社会復帰できるのか不安になりますよね。
私自身も、会社に戻る場所があるのか、戻ったところで人並みに仕事ができるのかといった不安がありました。
しかし、結果的には、復職して1年半経った現在でも、再休職せずに何とか働いています。
うつ病の経験者には、それなりの働き方があります。
休職前と同じ働き方をするのではなく、病気になってしまった自分の特性に合わせた働き方に切り替えることが、復職成功の秘訣です。
今回は、リワークで得た知識を自分なりに仕事術へ落とし込んだ実践例を紹介します。
記憶力の低下は、代表的なうつ病の症状です。
私自身も、仕事のタスクがまったく記憶できなくなりました。
覚えられないものは仕方がないので、「脳の記憶力は頼りにならないから、データで保存しておこう。」と開き直って考えるようになりました。
パソコンでタスク管理表を見れば、その日にやることが思い出せる状態にしておくことで、記憶力の低下をカバーしています。
ただし、タスク管理表を作ること自体に時間と手間をかけていては、効率的に仕事が出来ません。
そこで私は、メールソフト(Outlook)のフォルダ機能を使って、タスク管理を行っています。
フォルダの構成は、とてもシンプルです。
「受信BOX」と「未処理BOX」の2つだけです。
「受信BOX」に入ってきたメールのうち、処理する必要のあるメールだけ「未処理BOX」に一時的に置いて、対応が完了したら「受信BOX」に戻すようにしています。
つまり「受信BOX」にあるメールは、すべて処理済みであることを意味します。
どんなに膨大な数のメールがあろうが、「未処理BOX」だけを見ておけばいいので、精神的にも安定します。
業務内容やオフィス環境によって、タスク管理の実践方法は異なってくると思いますが、効果的なタスク管理を考えるポイントは以下の2つです。
・タスク管理自体に時間をかけ過ぎない。
・自然と目につく場所に、タスク管理表を置いておく。
たくさんの仕事に追われていると、他部門等から依頼された仕事が捌けなくなり、催促の電話がジャンジャン鳴ることがありますよね。
催促の電話が鳴るたびに、「いつまで待てますか?」と納期延長の交渉をすることは、はっきり言って時間の無駄ですし、相手にも迷惑をかけます。
仕事は、数々の工程を経て出来上がるものですが、自分のところに来た仕事(ボール)は、瞬時に打ち返しましょう。
細かい仕事だと、ついつい後回しにしてしまいがちですが、細かい仕事を終わらせてからメインの業務に集中して取り組んだ方が、誰にも邪魔されず効率的です。
相談は、「ホウ・レン・ソウ」にも含まれている通り、社会人として基本中の基本です。
しかし、うつ病の原因が人間関係の悪化であることも多く、その相手が上司だったら、気軽に相談なんて出来ないですよね。
それでもなお、仕事に着手する前は、勇気を出して上司に相談し、方向性を決めておきましょう。
方向性を間違えて進めた仕事は、丸ごとやり直しになるリスクが高いです。
運が悪ければ、「そんなことで相談してくるなよ!」と叱責されるかもしれませんが、どうせ怒られるなら先に相談した方がマシです。
少なくとも、あとで手戻りになるリスクは軽減できますから。
うつ病になる方の中には、真面目で処理能力が人一倍優れた方もたくさんいます。
(リワークでお世話になった心理士さんが言ってました。)
なまじ仕事ができてしまうために、次々と仕事を任されて、次第に処理しきれなくなって潰れてしまうことは、よくある話ですよね。
かといって仕事を断ることは、お人好しな性格の自分にはとても難しいです。
そこで、暇なときでも忙しいフリをすることにしています。
とりあえず、エクセル表でも眺めておきましょう。
日本の会社は、「成果」ではなく「エクセル表を眺めた時間」を評価して給料払っているようなものですから、後ろめたさを感じる必要はありません。
デール・カーネギーの代表作である「道は開ける」に、整理整頓したら憂鬱な気分がすっかり治った!という眉唾なエピソードがあります。
しかし、騙されたと思って実践してみたら、私の場合は絶大な効果を感じました。
山積みの書類は、見ているだけで仕事に追い回されている気分になるし、「もしこの書類の中に、重大な未処理案件があったらどうしよう」という漠然とした不安に襲われるものです。
メンタル面の効果は個人差があるでしょうが、整理整頓をすれば書類を探す時間は大幅に短縮されるはずなので、業務の効率化といった実益は必ずあります。
1時間でもいいので、忙しいときこそデスクを整理整頓してみましょう。
以上が、私の実践している仕事術です。
もし参考になるものがあれば、是非実践してみてください。
いろいろと紹介しましたが、本当に大事なのはテクニックではありません。
復職後に仕事を長続きさせるためには、病気になる前と同じ働き方をしないことです。
生き方・働き方を見直し、二度と同じ轍を踏まないようにすることが、復職成功の秘訣です。
以上