このブログでは、リワークで教わった知識やプログラムの体験談を記事にしています。
今回は、リワークがどれくらい役に立ったのか、私の経験についてお話ししたいと思います。
結論から言うと、効果がありすぎてパワハラ上司も困惑するレベルになりました。
そして、残念なことに、私の次にうつ病休職した同僚は、リワークを受けずに復職するよう指示されました。
リワークを受けた私が、上司の思惑とは異なる仕上がりで戻ってきたのが不満だったのかな?と勝手に思っています。
では、これから実践で役立った2つのプログラムを紹介します。
ご紹介するテーマは、「アサーション」と「対人関係療法」です。
私が特に効果的だと感じたのは、アサーションというプログラムです。
辛い状況に追い込まれないためには、きっちりと自己主張することが大事なのです。
自己主張しない人は、気が弱くて何でも言うことを聞くと見なされ、パワハラ体質の上司から好き勝手に攻撃を受けてしまいます。
だからと言って、逆ギレして上司を威嚇しろという意味ではありません。
相手と対等の立場で、冷静に事実を述べて、お互いにとって利益になる提案をすることが効果的なコミュニケーション手段なのです。
ポイントは、相手が社内でどんな役職に就いていようが、人間としては常に対等であるということです。
考えてみてください。
会社で偉そうに振る舞っている上級管理職のオジサンでも、街中で見知らぬオジサンに「おい!お前!邪魔だから道を空けろよ!」 なんて言い方をしたら、ほぼ確実に喧嘩になりますよね。下手したら殴られます。
なぜそうなるのでしょうか?答えは簡単です。見知らぬオジサンにとって、彼は執行役員でも事業部長でも何でもない、ただのオジサンだからです。
会社組織の中でも、本当は誰しもが対等の人格を持っているんですよ。
そんなことを、アサーションのプログラムでは強調して教えてくれました。
アサーションをすべての労働者が学べば、会社も好き勝手に労働者を酷使できなくなるのではないかと思っています。
※アサーションの詳しい手法は、過去の記事を参照してください。
私の通っていたリワークプログラムでは、認知行動療法が主体となっていましたが、たまに対人関係療法も実施されていました。
個人的には、この対人関係療法が、ピタっとハマりました。
プライバシーに関わるので具体的には書けませんが、対人関係療法とは、患者さんの過去のトラウマを聞き出して、それに上手く対処するためのロールプレイ(演劇みたいなもの)をグループで行うというプログラムです。
このプログラムのおかげで、自分がすぐに相手にマウントを取られてしまう原因がわかり、復職しても練習したことが実践できるという自信が持てました。
ちなみに私に対人関係療法を施してくれた先生は、どこの軍隊かは教えてくれませんでしたが、軍人のPTSDを治療するプログラムにも参加したことがあるそうです。
いわば軍隊仕込みの対人関係療法を施されたのですから、ぬるま湯でデスクワークをしている職場で通用しないわけがありません。
少なくとも、弾丸が飛んでくることはありませんから。
こうやってリワークの素晴らしさについて書いてみると、「たまたま、あなたの通っていたクリニックの質が高かっただけ。運が良かっただけだよ。」と思われてしまうかもしれません。
でも、必ずしもそうとは言えません。
メンバーさんの間でも、リワークプログラムの評価が満場一致で高かったわけではないのです。
「このプログラムに一体何の意味があるのか?」という懐疑的な姿勢で授業を受けているような様子が見られることもありました。
実績としても、短期で回復して復職する方もいれば、なかなか回復せずリワークが長期化する方もいて、効果には個人差がありました。
どんな教育プログラムでも、つまらない部分もあれば、勉強になる部分もあるのです。
くだらないように思えるプログラムだったとしても、そこから少しでも学び取れるよう前のめりの姿勢で参加することが重要なのだと思います。
結果として、私は約3ヶ月のリワークプログラムを修了し、職場への復職を果たしました。
本音を聞いたわけではないので、私の勝手な憶測ですが、上司は私の変貌ぶりに不満の様です。
私は、とにかく自己主張をするようになりました。
家族を第一に考えていること、残業は決して美徳ではないこと、深夜まで飲み会に付き合うつもりはないことを正直に主張できるようになったのです。
もちろん、喧嘩にならないようにアサーションの手法を用いています。
なので、険悪なムードにはならず、上司ともお互い笑顔でコミュニケーションできています。
対人関係療法のおかげで、臆することなく自分を表現できるようになったことが大きいと思っています。
なぜ、上司が不満を感じていると思ったか?
それは、私が復職してしばらく経った後、うつ病で同僚が休職したのですが、彼にはリワークを受けずに復職するよう指示していたからです。
実際、彼は自宅療養のみで復職しました。
自己主張のできる社員は、会社や上司への忠誠心が低く見えて好ましくないと感じたのかなと勘ぐってしまう出来事でした。
でも、私は声を大にして言いたいのです。
リワークから復職した社員が、深夜まで残業したり、終電まで飲み会に付き合うような従順な社畜に戻っていると思ったら大間違いだ!
リワークは、患者を癒す場であって、社畜の再生工場ではない!
リワークを受けて、不幸な社畜人生から抜け出す労働者が一人でも減ることを心から願っています。
以上